2011年3月全くのゼロからタイ語学習をスタート!同年9月から現在に至ってはタイのバンコクに滞在中。バンコクの生活情報やタイ語留学でのおすすめ勉強法や教材などをご紹介していきます。by タイ在住わらしべ長者
不法入国、不法滞在で逮捕!タイの留置場、裁判所、収容所の実態を暴露【第6章】
記事公開日:2016年10月10日
最終更新日:2016年10月12日
バンコクのわらしべです。
現在連載記事を公開中。本日は第6章をお送り致します。
【前回までのあらすじ】タイの裁判所で有罪判決を言い渡されるが初犯と言うことで罰金のみ。ようやく解放されるかと思いきや、今度はなぜか奴隷部屋のような牢屋に入れられる。。。
では、さっそく続きをどうぞ!
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【第6章】収容所(その弐)
ここは「Bangkok I.D.C」
Immigration Detention Center The Kingdom Of Thailand
イミグレーション収容所です。
1階の牢屋からはずいぶんましになりましたが、私に与えられたスペースは、上を向いて寝そべると隣人の肩に完全密着する幅×足元を人がまた跨いで歩いていく長さです。
敷き毛布1枚とこのスペース代として、大ボスに200バーツの入居料?を支払いました。
この部屋はきちんと組織が組まれていて、各世話役、掃除係等の役割分担があり、秩序も保たれています。
上役ほど待遇がよく、大ボス、中ボスは売店を兼ねた別部屋でスペースたっぷり。
複数いる小ボスは我々と同じ大部屋で、日常品をたくさん所有していて少し広めのスペースで生活しています。
そして残ったスペースを日々増減する人数で割る形となります。
ざっと80名程でいつもより多め。日本人が3人もいるのは初めてで、いない日のほうが多いとの事。
売店は中ボスが経営?していて、カップラーメンやコーラ、スナック菓子等の食料や、歯ブラシ、歯磨き粉、水桶等の生活用品、タバコも売っています。料金は街と同程度。
皆24時間何もすることがないので、タバコをやらない人もここで覚えてしまうらしく、部屋内の空気はすごいことになっています。
私はここで通常のタバコより半額で買える紙巻きタバコを覚えました。
いろんな人種と話して、「あなたは何日いるんですか?」の質問に、大抵は、数週間、数か月の答え。中には何年という答えが返ってきたりします。
この中に何年・・・。
帰国チケット代がなく帰れない人ばかりで、どうやって工面するかばかり話しています。あきらめてただずっとここにいる人もたくさんいるとの事。おかしな行動をする人や廃人のように見える人も見受けられます。
日本人の場合は最長1年で日本大使館が自動的に強制送還をするそうです。
私のように明日にも帰れそうな人は珍しいとの事。通常は最低でも1~2週間。
というのは航空チケット代に足りる現金が財布に入ってなければ、家族からここに送ってもらったり、自分の銀行口座から降ろす諸手続き等で、そのくらい時間がかかってしまうらしいのです。
私は偶然にも日本円ですが財布の中にあったので(マレーシアのカジノでの勝ち分。もし負けていたら…恐)、小ボスからそれだけあれば絶対に足りると言われました。
ちなみにクレジットカードが使えるかはわからないとの事。第一ここにいる人たちはまず持っていません。
とはいえ、本当に朝一番にここでチケットが買えるのか?まだ100%確証は持てませんでした。
何度も、聞いたことと実際は違っていた経験ばかりです。
牢屋で食べたのと同程度の朝食が配られ、小ボス達から、何処で作っているのか別メニューの幾分マシな食事をおすそ分けいただき、時間を只々待ちます。
朝9時ちょうどに部屋の鉄扉が、皆にとっては3日ぶりに開きました。
ぞろぞろと皆と一緒に外に出て屋根付き運動場まで移動します。
移動途中で担当官が「ジャパニーー」を私を呼びました。
メモを渡され見ると、確か見覚えのある電話番号が書いてあります。
そこに電話しろという事です。
小ボス補佐と共に、運動場横の公衆電話に行き、約10台中半分以上壊れている中で、壊れていない1台の列に並び順番待ち。
小ボス補佐からテレフォンカードを貸してもらい、メモの電話番号にかけると安田さん。
「無事で良かった!私も君の家族も正直大騒動だった。」
経緯を説明しました。
「ご心配かけました。家族にも元気だと伝えてください。今から帰国チケットをこの場で買います。チケット詳細が分かり次第、すぐまた掛けます。」
大ボス同伴で私だけ特別に事務室まで行きます。
私のパスポートが用意されてました。
「日本のどこでもいいです。一番早いチケットをお願いします」
事務刑務官の女性が、ネットでチケットを探してくれます。
事務室の写真をタイの政府機関 IDC Immigration Detention Center The Kingdom Of Thailandfacebook の公式facebookで発見。その彼女も映ってます(笑)※公開写真ですが、一応顔をモザイク処理しておきました。
(画像元:https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10205256509531737&set=pcb.10205256512451810&type=3&theater)
今日夜の便が取れそうです。
私の地元の空港行きが2番目に早く着く便、1番早く日本に着くが数百キロ遠い空港行きの便との選択。
到着時間20分程度の差。料金は1番の方が高い。
一刻も早く日本に辿り着きたい。
悩んでいるうち、料金が上がっていました(笑)
なお、単純にネットの航空券比較サイトからさがしてるだけなので、経由便や格安航空券が買えます。
地元空港行きの便を選択しました。
本日の深夜スワンナブーム空港発、翌朝着の便を購入。
クレジットカードの使用OKで、カードで決済しました。
もちろんここでスキミングされたかどうかは判りませんが、思い当たるのは、こことマレーシアのカジノくらい。日本での可能性も高いですが。
なおチケットの事務手数料として確か3500バーツほど事務所に徴収されました。
空港までの護送車代も含まれているとの事。イミグレセンターの正式な手数料なのかはわかりません。
両替もしてもらいました。
当日のレートで換算し、端数がチップの形で戻らない形でした。計算すると私の両替額の場合は5%程でした。
印刷された航空チケットの控えを持って運動場にもどり、安田さんに連絡。
全て終わるのに2時間ほど経過しました。もう部屋に戻される時間となりました。
これで間違いなく帰れる!
心底安堵し、これまでの4日間ほとんど寝ていないのもあってか、昼食後、夕方近くまで爆睡しました。
夕食時間にも気づかず(夕食は4時くらいだったらしい)、起きた後、小ボスに石鹸を拝借し浴場(水が張ってあり、桶で水浴びできる)で、体を洗い流しました。その後はまた皆とわいわいやっていました。
大ボス、中ボス、小ボスにお世話になったお礼をしました。
※暗に礼金を事前に求められてましたので、郷に従えと、少額を気持ちよく渡しました。彼らは私に本当によくしてくれました。
小ボスのノートにメッセージを残してきました。
ノートには以前ここに滞在した数名の日本語のメッセージが書いてあり、私も、もしまた日本人がここに入れられたときに少しでも安心できるようにメッセージを書き留めました。
餞別の意味で大量に菓子やジュースを買い皆にふるまっていましたが、この後すぐ出る私への嫉妬を感じるときもあり、複雑な心境で時を過ごしました。
小ボスからフライト時間の3時間程前にここを出るはずだと聞いていましたが、そのさらに3時間程前に突然刑務官が来て、私ともう1人を呼びます。
出所です。
24時間ほどの滞在でしたが皆よくしてくれ、最後の挨拶もろくにできないまま部屋を出ました。
私は日本に帰ります。
【最終章】国外退去に続く
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このシリーズ、毎日ドキドキで読んでました。アップが待ちきれないほどでした。
いよいよ明日で完結ですね。ハッピーエンドだと信じていますが、最終回なのは残念です。
ちょっとした不注意で、こんな映画の中のようなことが起こってしまうんだ~って勉強になりました。今後は、一回一回ちゃんとチェックしようと思いました。
Keiさん、こんばんは
コメントありがとうございす。
毎日ドキドキしてましたか(笑)
当連載も無事に最終回を迎える事が出来ました。
楽しんで頂けたならば幸いです。(^^♪
パスポのスタンプは出入国時には必ず目視で確認するクセをつけた方がイイですね。
当事者の本人さん、
ご存じの通り収容はされず帰国は出来ましたがは色々と事後処理が大変そうです。( ノД`)シクシク…
マレーシアの出国手続きもしていない状態みたいなので。。。
タイでは5年間の入国禁止やし。